要点まとめ
- 50人未満の事業場に衛生委員会の設置義務はありません。代わりに「関係労働者の意見を聴く機会」を設ければOKです
- 決めるべきことは「いつ・どの調査票で・誰が実施し・結果をどう扱うか」など。本記事のチェックリストで一通り網羅できます
- 決めた内容は社内規程として文書化し、全員に周知します(ひな形あり)
1. 50人未満には衛生委員会の義務がない——では何が必要?
ストレスチェックの実施方法は、本来、衛生委員会等で調査審議して事業者が決めるものとされています。しかし衛生委員会の設置義務は常時50人以上の事業場のみ。50人未満の会社では、労働安全衛生規則に基づく「関係労働者の意見を聴く機会」(いわゆる意見聴取の場)で代替します。
形式ばった会議体はいりません。実務上は次のような形で十分です。
- 朝礼やミーティングの時間に実施方法の案を説明し、意見を聴く
- 従業員の代表者(互選)と事業主で打ち合わせ、議事メモを残す
ポイントは「意見を聴いた記録を残す」ことです。日時・参加者・決定事項をA4一枚のメモにしておけば足ります。
2. 決めるべきことチェックリスト
意見を聴く場で確認・決定しておきたい項目です。外部委託する場合、多くは委託先の標準仕様をそのまま採用すれば済みます。
- 実施時期(年1回いつ頃か)と実施期間
- 調査票(標準は57項目。簡略版23項目も可)
- 高ストレス者の選定基準(国の設定例をそのまま使うのが一般的)
- 実施者・実施事務従事者(外部委託なら委託先の医師・スタッフ)
- 受検方法(スマホ/紙、受検率を上げる工夫)
- 結果の保存(誰が・どこで・5年間)
- 面接指導の申出窓口と流れ
- 不利益取扱いの禁止の確認と周知方法
- 集団分析を実施するか、結果をどう職場改善に使うか
3. 社内規程と周知
決定事項は「ストレスチェック制度実施規程」として文書化し、従業員に周知します。難しい文書である必要はなく、上のチェックリストの決定内容を条文形式に落とすだけです。
当サービスでは、50人未満の会社向けに規程のひな形と社内周知文のひな形を用意しています(導入企業には管理画面からダウンロード提供)。ひな形をもとに自社の内容に合わせて整え、意見聴取の場で確認すれば、一から作るより準備の手間を抑えられます。
4. 外部委託する場合の「会社に残る仕事」
実施者・面接指導・結果管理を外部(当サービス)に委託した場合でも、次の4つは会社側の仕事として残ります。
- 対象者の名簿の登録と更新(対象者の範囲)
- 意見を聴く場の開催と記録(初年度と、方法を変えるとき)
- 規程・周知文を自社に合わせて整え、従業員に周知する(ひな形あり)
- 面接指導後の就業上の措置の検討・実施(高ストレス者対応)
一方、調査票の配布・採点・結果の通知・面接指導・意見書の作成は委託できます。
よくある質問
Q. 従業員代表はどう選べばよいですか? A. 管理職以外の従業員から、挙手や話し合いなどの民主的な方法で選びます(会社が指名するのは不可)。36協定の労働者代表がいる会社は同じ方に依頼するケースが多いです。
Q. 全員の同意が必要ですか? A. 同意ではなく「意見を聴くこと」が要件です。反対意見が出た場合は検討の記録を残したうえで、最終的には事業者が決定します。
Q. 毎年やり直す必要がありますか? A. 実施方法を変えないなら、初年度の決定を継続できます。変更時(調査票の変更など)は改めて意見を聴きましょう。
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