要点まとめ
- 会社は誰が高ストレスかを知りません(本人の同意がない限り)。だから「会社が高ストレス者に直接何かする」のではなく、申出が出やすい環境を整えるのが会社の仕事です
- 本人から面接指導の申出があったら、医師による面接 → 意見聴取 → 就業上の措置、までが法律上の流れです
- 特に避けたいのは「申出した人を特別視・不利益扱いすること」と「医師の意見を放置すること」です
1. まず前提: 会社は「誰が高ストレスか」を知らない
よくある誤解が「高ストレス者のリストが会社に届く」というものです。届きません。高ストレスの判定結果は本人にだけ通知され、会社が知るのは、本人が結果の提供に同意したときか、面接指導を申し出たときです(面接指導の申出は、判定結果を会社に提供することへの同意として扱われ、申出の事実と高ストレスの判定結果が会社に伝わります)。
この前提を押さえると、会社の役割は2つに整理できます。
- 申出しやすい環境をつくる(申出で不利益がないことの周知、申出窓口の明確化)
- 申出が来たら法律どおりのプロセスを回す(面接 → 意見聴取 → 措置)
2. 申出があってからの対応フロー(時系列)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 申出受付 | 申出日を記録。おおむね1か月以内に医師の面接指導を設定(当サービスでは医師を当方で手配し、本人が画面で日時を選んで予約します) |
| 面接指導の実施 | 就業時間扱いとすることが望ましい。本人が受けやすい時間・場所(オンライン可)を確保 |
| 医師からの意見聴取 | 面接後おおむね1か月以内に「就業上の措置に関する意見」を受け取る |
| 措置の検討・実施 | 意見を踏まえ、残業制限・業務量調整・配置転換などを検討。本人と話し合って決める |
| 記録 | 面接指導結果の記録を5年間保存 |
重要なのは最後の「措置」です。医師の意見書を受け取って終わり、ではなく、実際に働き方を調整するところまでが会社の義務です。意見を無視して本人が体調を崩した場合、安全配慮義務違反を問われる材料になり得ます。
面接指導を行う医師は、委託先が手配する医師のほか、条件に当てはまる場合、地域産業保健センターで医師の面接指導を受けられることがあります。利用の条件や予約は、地域の窓口にご確認ください(地域産業保健センターへの申込みは会社が行います)。なお、地域産業保健センターはストレスチェックそのものは実施していないため、実施者は別に確保する必要があります。詳しくは地域産業保健センターとの違いをご覧ください。
3. 申出が出ない場合はどうする?
高ストレス者がいるはずなのに申出がゼロ——小規模事業場では珍しくありません。会社ができるのは:
- 申出による不利益取扱いの禁止を改めて全員に周知する(申出をためらう理由になりやすい点です)
- 面接指導以外の相談先(外部の相談窓口など)を案内する(従業員向けには高ストレスと判定されたら(従業員向け)でセルフケアや相談先を紹介しています)
本人が申し出ない限り面接を強制することはできません。「受けさせる」より「受けたいときに受けられる」状態を保つことが現実解です。
4. やってはいけない対応(NG集)
- 申出した従業員の評価を下げる・異動させる(法律で明確に禁止。解雇・雇止め・降格などすべてNG)
- 「誰が高ストレスだったのか」を実施機関や本人に聞き出そうとする
- 面接指導を「人事面談」で代替する(医師以外の面談は法律上の面接指導になりません。詳細は面接指導の解説)
- 医師の意見書を受け取ったのに何の措置も検討しない
- 高ストレス判定を理由に、本人の同意なく健康情報を職場で共有する
5. 当サービスの場合
- 実施者と面接指導の医師の両方を当方で手配するため、申出があってから会社が医師を探す必要はありません
- 本人は結果画面から申し出られます(申出の前に、会社に伝わるもの・伝わらないものを画面で説明し、同意を確認します)。面接は Zoom(ビデオ通話)で行い、録画はしません(日程は本人が画面で選択)
- 医師による面接指導の料金は1回(オンライン約20分、意見書・報告書込み)10,000円(税抜)/11,000円(税込)。面接を開始した時点で1回分(途中で本人の申出により中止した場合や、通信の不具合などで途中で切れた場合も同じ)。開始前の取消し・無断欠席は料金なし
- 医師の意見書は就業上の措置に必要な範囲だけを記載(診断名等は含めない)ので、会社はそのまま措置の検討に使えます(措置を決めて実施するのは会社です)
- 緊急性の高い状態を医師が把握した場合の連絡体制も整備済みです
申出をした人の情報がどこまで会社に伝わるかは結果は会社に知られる?(プライバシーの仕組み)で解説しています。
よくある質問
Q. 高ストレス者が何人いたかは教えてもらえますか? A. 人数規模によります。集団分析(10人以上)の範囲で傾向は把握できますが、個人を特定できる形の情報は提供されません。
Q. 申出の期限はありますか? A. 結果通知からおおむね1か月以内の申出が目安とされています。当サービスでは申出の受付期限を設けており、期限内であれば、いったん申し込まなかった方も結果画面から申し出られます。
Q. 面接指導の費用は会社負担ですか? A. 実施義務が会社にあるため、会社負担が原則です(当サービスの面接指導の料金は料金ページをご覧ください)。